にげにげ日記

にげにげ日記

(元)不登校ゲイの思索

渋谷という街

いま、渋谷にいる。

 

田舎から東京に来て早5年? 6年? とにかくそれなりの年月を東京で暮らした、と思う。電車の乗り換えも難しくないし、新宿までサッと出て遊んだりもできる。

 

それなのに、渋谷。ここだけはいまだに緊張する。

 

思えば、毎年、東京レインボープライドで渋谷には来る。なんなら道路の真ん中を歩き回っている。それなのに、なぜだろう。

 

ひとが行き交う。大勢のひとびと。よく見れば、新宿や池袋を歩くひとと大して変わりはない。街並みだって、109とか渋谷ならではの建物はあれど、別に真新しいわけではない。

 

大学生のとき、友人らと街歩きをしながらおしゃべりをしていたとき、みんなは「新宿はこわい。行きづらい」と言っていた。居心地が悪い街、という認識。

 

でも、ぼくは違った。新宿は身近な街だった。新宿二丁目がある街。コミュニティがある街。居心地の良いところのある街。

 

ぼくにとって渋谷は、居心地が良い街ではない。なんかわからんけど。慣れてないだけかな?

 

ぼくはこの街で服を買ったことがない。

 

ただそれだけのことかもしれない。

 

渋谷区で同性パートナーシップ制度がつくられたとき、同時にホームレスの排除が行われた。公園は夜間閉鎖され、ホームレスがいると追い出されていた。

 

その頃、一度、「公園閉めるなデモ」という名前のデモに参加したことがある。「若いひとが来た!」と喜ばれた。虹色のアフロを渡されて、頭に被った。段ボールにメッセージを書いて、それを持って渋谷の街を歩いた。

 

レインボープライドのときとはうって変わって、渋谷の街を歩く人々のリアクションは冷たくて、きつかった。

 

渋谷を一周して、出発した公園に戻ってきたら、公園の外でまだシュプレヒコールをあげていたひとたちにむかって、警察官が「公園に入れ」と命令した。「公園から排除するくせに、今度は『公園に入れ』とは何事だ!」と反論しているひとがいた。たしかに、と思って、つい笑ってしまった。

 

そんなぼくに、あるひとが近づいてきて、声をかけてくれた。そのひとは、デモの開始からずっと、下手なラッパをずっと吹いていた。そのひとは、代々木公園のテント村というところに住んでいるらしくて、「カフェをやってるんで、今度ぜひ来てください」と言ってくれた。

 

何度かそのカフェに行った。お菓子やコーヒーをふるまってくれた。あそこで深呼吸をするととても気持ちいい。また行きたいと思う。

 

ぼくにとって、渋谷という街は、居心地が良くない。みんなはどうなんだろう。

 

Wiiゲーム「428~封鎖された渋谷で~」オリジナルサウンドトラック
 

 

そういや、昔、このゲームやったなあ。