にげにげ日記

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(元)不登校ゲイの思索

やっぱりパニック障害でした。パニック障害の症状や対処法について

先日、映画館でパニック発作のようなものが出たことについて、かかりつけの医者に話してみた。ただの貧血だったらまだいいが、もしかしたらパニック障害なのかもしれない。

 

nigenige110.hatenablog.jp

 

話してみたところ、やっぱりパニック障害だろうということだった。発作が起きるシチュエーションが決まっていて、狭かったりひとが多かったりして身動きが取りづらい場所に長時間いるときに決まって起こるので、きっとそうだろうと思っていた。

 

ただ、思い返してみると、そういうシチュエーションだけで起こるものでもないようだった。例えば、数年前、ジム通いしていたときにもよく発作が起きていて、施設内で倒れてスタッフのひとに介抱してもらったり、帰り道で倒れたりしていた。それもてっきり貧血だろうと思っていたが、どうやら乳酸が溜まると発作が出やすいらしくて、激しい運動は避けたほうがいいみたい。

 

youtu.be

 

(Panic! At The Cinemaってバンド組もうかな)

 

発作が起きたとき用の薬はもらったけれど、しばらく映画館には行けないだろうし、ジムにも通えないだろうなあ。なんだか人生が病気に蝕まれているような気分。自由にいろんなことができないのが悔しい。

 

そんなときにTwitterのフォロワーさんに教えてもらったのが、瀬尾まいこの小説『夜明けのすべて』だった。ざっくり説明すると、PMSを抱える藤沢さんとパニック障害を抱える山添くんが、同じ職場でお互いの病気や症状を知り、友達でも恋人でもない関係性ができていって、お互いに助け合うようになるというお話。

 

夜明けのすべて

夜明けのすべて

 

 

ここ最近は本が読めなくて大変だったのだが、この本はスラスラと読めた。いまのぼくに必要な物語だったのかもしれない。それくらい切実に、のめりこむようにして読んだ。とても面白かった。読んだあとに、「藤沢さんや山添くんのように、ぼくも生きられるかもしれない」と思えるような小説だった。

 

パニック障害という診断をもらって、ちょっとだけ気持ちが落ち着いた。これまでの生きづらさや苦しさの正体が分かった。対処法はまだまだ確立できていないけれど、少しずつ確立していけたらいいなと思っている。

 

夜明けのすべて

東京レインボープライド2021が批判される4つの理由

今月末に開催される東京レインボープライド2021が様々な点で批判されている。大事なことだと思うので、批判されているポイントをまとめて備忘録にしておきたい。

 

 

批判ポイント①拝金主義

企業向けの協賛金が最大で800万円と設定されている。去年に引き続き、今年もオンライン開催でそんなにお金がかからないはずなのに、何のためにこんなにお金を集めようとしているのか謎だ。収支報告を待ちたい。

 

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それを抜きにしても、ここ数年の東京レインボープライドは拝金主義の色が強い。会場に行っても企業ブースが中心になっていて、レインボーの試供品やチラシを山のようにもらってもちっとも嬉しくない。また、ブースの出展料がバカ高いから、手弁当で活動している当事者の活動家や団体などは端っこのほうに追いやられてしまっている。

 

お金をたくさん集めたキラキラ大規模なイベントが楽しいというひともいるのかもしれないけれど、ぼくはそうは思わない。2014年頃に初めて参加したときの、こじんまりとした東京レインボープライドが楽しかったし居心地も良かった。

 

nigenige110.hatenablog.jp

 

批判ポイント②当事者軽視

上述した拝金主義と併せて、LGBTQコミュニティのために活動しているひとや団体を軽視するような姿勢が露骨に表れたのが、東京レインボープライド2021のメインイベント「#おうちでプライド2021」のゲストが非当事者だらけだという問題。これはTwitter上で大いに批判されている。

 

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(どうでもいいけど、タイトルの「お」と「う」だけフォントサイズ小さくないか……?)

 

テレビやネットでよく見る有名なひとがLGBTQについてポジティブなことを言ってくれるのは、エンパワーメントされるかもしれないけれど、ちょっとあまりにもバランスが悪すぎるように思う*1。ゲイは数人いるが、それ以外のオープンリーなLGBTQ当事者はいない。

 

以前、ぼくもちょっとだけ関わっていたので分かるのだが、当事者団体や活動家の方々はほぼ手弁当で、少ない謝金やカンパでやりくりしながらLGBTQコミュニティのために活動しているところばかりだ(もちろんなかには拝金主義的なところもあるけれど)。そういう人々や団体を軽視するような結果になってしまってはいないか。

 

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「#おうちでプライド」とはべつに、専門家を呼んで「LGBTQの今を知る15選」というプログラムをYoutubeで実施するようだが、これをメインイベントにすればいいのに。お金にならないからダメなんだろうか。どれも興味深いトピックだし、内容次第ではとてもすばらしいプログラムになると思って、楽しみにしている。

 

せっかく興味深い取り組みなのだから、目次だけの淡白な画像じゃなくて、ひとつひとつのトピック取り上げた画像を作ってぜひ告知していただきたい。

 

批判ポイント③政治的な態度や振る舞い

過去の東京レインボープライドで「政治的なプラカードは掲げないでください」とスタッフに注意されたことがあるそうだ。地方のレインボープライドでも同様なことが起きているようだし、「政治色のないレインボープライド」が開催され、その政治性を批判する団体もあった。

 

spjhasnopride.org

 

そのような状況を「レインボープライドの脱政治化」と称されることがあるが、実際には、このような態度や振る舞い自体が非常に政治的なものであると思う。

 

例えば、いま盛り上がっている同性婚の議論について、賛成でも反対でもないという立場が政治的に中立中庸であると考えているひとがいるとする。しかし実際には、制度がないことによって不利益を被っているひとや差別を受けているひとがいる。そんななかで、そのような不利益や差別を無くそうとしない立場が、はたして中立中庸と言えるだろうか。ぼくはそうは思わない。不利益や差別の存在を認めておきながら、それに反対しない・無くそうとしないという立場もまた政治的なのである。決して中立中庸などではないし、脱政治化でもない。

 

だから、党派性やイデオロギー性をできるだけ漂白脱色して、まるで中立中庸なイベントであるかのように見せようとする東京レインボープライドは、その姿勢や振る舞いもまたきわめて政治的なのであって、そのことは批判されて然るべきだと思う。

 

批判ポイント④声をあげる世界を変える?

一方で、東京レインボープライド2021は、今年のテーマ「声をあげる世界を変える」を決定した経緯として、次のように述べている。

 

これまで東京レインボープライドでは、当事者を取り巻く社会が少しでもよい方向へ変わるように、LGBTQの理解を深め、親しみやすい場所になるよう、そして何よりも”誰もが楽しい”と感じるイベントになるようにみんなで試行錯誤をしてきました。しかし、「LGBTQ」「多様性」という言葉は浸透しつつも、誰もが生きやすい社会への実現には、”楽しさ”を追求するだけでは、変えられないものがあることが分かりました。

2020年、私たちの日常は大きく変わりました。誰も経験をしたことがない事態に向き合い、考え、自制し、そして新しいルールに適応しようと努力したと思います。 今回のテーマにもある”ルール”というのは、憲法や法律といった大きな枠組みのものから、日常生活の中で不自由に感じている学校や職場、地域の小さなルールまで様々なものがあります。ルールが変わることで、LGBTQだけではなく、すべての人が生きやすい世界に変わっていくことが、あるべき未来の姿だと思い、今回このテーマに決定いたしました。

 

trp2021.trparchives.com

 

一見すると、これまでの「お祭り」的なイベントを見直して、政治的なテーマやトピックについて真っ向から取り組もうとしているように読める。ぼくはこの文章を読んで、とても期待していた。しかし、開催日が近づいてイベントの詳細が公開されるにつけ、その期待は裏切られ続けている。

 

なかでもガッカリしたのは、以下のTwitterに投稿された画像だ。

 

画像

 

声をあげる。歴史を紐解けば、さまざまなマイノリティたちがひどい差別や抑圧を受けながらもそれを実践し、少しずつ権利を獲得してきた。そのような歴史的事実を踏まえた上でこの画像を見ると、なんともいえない脱力感を覚える。

 

もちろんSNSは、いまや社会的なムーブメントを起こしうるプラットフォームになっていて、「誰かの投稿に”いいね”を押すこと」による社会的な意味合いも過小評価はできないだろう。だけれど、東京レインボープライド2021のテーマである「声をあげる」の定義って、そんなことでいいの……?

 

おわりに

東京レインボープライドは、いまの体制での開催がはじまって今年で10周年を迎えるらしい。それ以前にも開催されていたのを踏まえると、歴史はもっと長くなる。このようなイベントのおかげで社会が変わった面もあるだろう一方で、さまざまな批判もなされてきたのも事実だ。

 

この記事では、そのような批判を網羅できているわけではない。ぼく自身もすべてを把握はできていないだろう。とりあえず今回は、東京レインボープライド2021が出している情報を中心に批判ポイントをまとめてみた。この批判が無為にならないことを願う。

*1:差別発言をしているひとがゲストのなかにいるとの批判もあるが、ぼくのリサーチ不足で確認が取れなかったので今回は割愛させていただく。

同性パートナーシップ制度を利用するかどうか、パートナーと話し合ってみた

実はいま、同性パートナーシップ制度が利用できる地域に居住している。そのことは、半年前に引っ越すときから知っていたし、部屋探しの決め手にならなかったとは言えない。同性パートナーシップ制度があるくらいだから多少はLGBTフレンドリーな自治体だろうし、地域に根ざした活動家や活動団体がいる/あるのも良いなと思った。

 

しかし、実際にその制度を利用するには至っていない。そのことについて、パートナーと話し合ってみた結果を備忘録として書き留めておきたい。

 

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同性パートナーシップ制度を利用したい理由

同棲を始めてからずっと心配なのは、どちらかが事故に巻き込まれたり病気で倒れたりしたときに、もう一方へ連絡がいくのかどうかということだ。両親や会社には連絡がいくだろう。けれど、ぼくは両親と不仲だし、パートナーは両親にカミングアウトしていないので、両親伝いに連絡がくるとは思えない。

 

せめて「同居人がいるから、緊急時には連絡してほしい」と、お互いの連絡先を両親に教えるくらいはしたほうがいいのかもしれない。あるいは、緊急連絡先カードを作って財布に入れておくのもいいかもしれない。中野区に住んでいたときは、自治体が発行している「防災緊急連絡カード」を携帯していた。

 

また、同性パートナーシップ制度や同性婚が必要な例としてよく挙げられる話だが、仮に連絡がいったとして、二人の関係を証明できるものがないと面会さえできないかもしれない。そう考えると、万が一のときのために、同性パートナーシップ制度を利用しておいたほうがいいのかもしれないと考えたりする。

 

同性パートナーシップ制度の利用を躊躇う理由

そう思って、こちらから何度か「利用してみる?」と提案するのだが、パートナーはいつも「めんどくさい」といって却下する。何がめんどくさいかって、本籍地から戸籍謄本を取り寄せるのがめんどくさい。これにはぼくも同意。異性間の婚姻でも戸籍謄本は必要らしいが、どうしてそんな手間をかけることができるのか不思議だ。

 

ここまで読んでもらったら分かる通り、ぼくらは同性パートナーシップ制度や同性婚の制度を利用するにあたって、ロマンチックな意味合いをそこから読み取ろうとしていない。ただ単に、メリットやデメリットがあるかないかだけで判断しようとしている。ロマンチックに考えられたら、勢いで戸籍謄本などサッと取り寄せられるのかもしれないが、それができないでいる。

 

おわりに

同性パートナーシップ制度を利用することで、そこにニーズがあることが顕在化されて、さらなる権利の獲得に繋がっていくかもしれない。そういう意味でも、同性パートナーシップ制度の利用は前向きに考えているつもりだ。けれど、手続きのめんどくささから躊躇し続けているのが現状。

 

制度ができること・あることは良いことだと思うが、制度を利用せずとも男二人で家を借りれるようになったり、緊急連絡先に指定できたり、ちゃんと面会できたりできるようになったらいいのになあと夢想している。

 

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パニック障害かもしれない

つい先日、映画館で映画を見ていたとき、急にめまいと動悸がしだして、次第に意識が遠のいていき、汗が全身から吹き出し、姿勢を維持するのも大変なほどだった。床に寝転がりたかったけれど、そうするとまわりのひとに迷惑がかかるかなと思い、必死に椅子の上で耐えていた。あれは貧血だったのだろうか?

 

 

 

思い返せば、同じようなことは何度も体験していた。飛行機の中や深夜バスの中など、身動きが取りづらい・そこから逃げ出しづらいところでよくこのような発作は起きていた。大学生のとき、狭い部屋でたくさんのひとが集まって映画を見ていたときに発作が起こると、途中で「あ、これはマズい」と思って部屋を抜け出し、しばらく散歩をしたら発作はおさまった。

 

このブログのタイトルは「にげにげ日記」で、これは岸政彦の連載「にがにが日記」をもじったものなのだったのだが、身動きが取りづらい・そこから逃げ出しづらいところから「逃げろ!逃げろ!」と叫ぶこの身体感覚に基づいた命名だったのかもしれない。まあ、後付けだけれど。

 

kangaeruhito.jp

 

さて、この発作はパニック障害によるものなのだろうか。それともただの貧血なのだろうか。検査をしていないのでわからないけれど、ぼくは前者かもしれないなあと思っている。発作が起きるシチュエーションが限られているのがそれっぽいから。

 

そう思うと、満員電車に乗るのも怖くなってくる。もし電車内で一度でも発作が起きたら、もう電車に乗るのも怖くなって、通勤したりお出かけしたりするのも億劫になるだろう。Twitterで検索すると、そのような理由で映画館へ行ったり飛行機や電車に乗ったりするのを躊躇っているパニック障害の当事者のツイートを見ることができる。

 

近々、通院する機会があるので、そのときに主治医に話してみようと思う。

 

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【DIY】フリーペーパー「みかん」第2号が完成しました【ミニコミ】

思いつきで作りはじめたフリーペーパー「みかん」の第2号ができました。今回も友人たちに声をかけて、寄稿してもらいました。

 

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前号はこちら。

 

nigenige110.hatenablog.jp

 

目次

身体・訓練・十年計画/あかし

コロナ禍で見えた現実/ゆうと

夢日記/ナナシナ

 

前号とはまったく違うラインナップになっています。形式もテーマもバラバラでとてもユニークな紙面になりました。ありがとう、すべてのみかん。

 

Kindleでも頒布しています 

 

前号に引き続き、Kindleでも頒布しています。ありがとう、すべてのKindle

現在、出版停止しています。

 

PDFファイルはこちら