おさむです。
とうとう、この日がきた。
いま通っている職業訓練校でカミングアウトをしました。
高校生のときからオープンリー・ゲイをやってるんで、それなりの回数カミングアウトしてきたんですが、ひさびさに緊張したカミングアウトでした。
あんたってゲイ?
訓練校に、めちゃくちゃゲイっぽいひとがいます。*1短髪で日焼けしていてヒゲ生えてて、ジムに通っていて、ヨガにも行っていて、学校ではよくプロテイン飲んでる。話し方もちょっと柔和な感じ。
そのことを友達や恋人に話すと、「ゲイだったとして、どうするのよ」って言われるんだけど、まあホントその通りなんだけど、一度気になり始めると確認したくてたまらなくなるんですよね。
それで、ちょっとずつ会話するようにして、途中ちょっとカマかけてみたりして、あるとき、聞いた。「○○さんって、ゲイですか?」と。
違うって言われた。ええええ!うそ。
「よく言われるんですけど、違いますよ。彼女いたことあります」って。
なにこの恥ずかしい勘違い。あり得ない・・・。
レッツ、カミングアウト
そんなこんなで、「え、おさむさんはゲイなんですか?」と聞き返されて、「はい、そうです」ってカミングアウトしました。「こんな流れでカミングアウトって、え、どうなっちゃうんだろう」って緊張しましたが、なんてことなく終わりました。
なんかそのひとはLGBTの友達も多いみたいで、カミングアウトもあっさり終わり、特に嫌なことを言われたとかもなし。
性の話とかアレコレ質問してくるのはちょっとアレなんですけれど、別に嫌な感じはしないし、「それ聞くんだったら、あなたも答えてよね。平等にしようよ」って感じでこちらからもガンガン聞いてるし、まあオッケー。
とりあえず、このカミングアウトは成功かなあ(恥ずかしい勘違いは置いておいて・・・)。
成り行きで行ったカミングアウト。今後も学校内でやるのかどうかは分からないけれど、たぶん聞かれたら今回同様あっさり言っちゃうんだろうなあ。
矛盾するようだけど、曖昧なことだけど
ところで、カミングアウトをしたら、やたらと性の話を振られるってこと、よくあります。みんな性の話をしたくてたまらないんだよねって、フーコーか誰かが言ってたっけ。
ぼくとしては、ゲイであることはアイデンティティにも関係する広範な話だと思っていて、セクシュアルなことだけに還元されるのってちょっと気分悪い。当人にそんな意図はなかったとしても、結果的にそう受け止めてしまう。「ほかのひとにはそんなズケズケと聞かないはずなのに、なんで?」って。カミングアウト=性の話なんでも聞いてどうぞ〜ってことじゃないし。
もちろんそれでお互い打ち明けあって、すごい仲良くなれたって事例もあるだろうけど。一般的に、カミングアウトされたからって性の話ばっかり振るのって具合悪いんじゃないかなあ。
でも、他方で、やっぱりセクシュアルマイノリティって、性に関するマイノリティのことであって、ときにグロテスクな「性」の問題を抜きにしては語れないわけです。グロテスクな部分には目を向けず、経済効果とかアーティスティックな才能とかキレイな部分だけを見て「理解増進」とか「受容」とか言ってほしくない。
普通だけど、でもやっぱり普通じゃない(てか、普通じゃなくても構わない)。
性的なことだけに還元されるべきじゃないけれど、でもやっぱり性的な存在である。
こういう曖昧なことって、運動の現場ではあんまり好まれなくて、「ぼくらは普通ですよ!愛は愛!」みたいな、ハッキリした言説が使用されがち。
でもやっぱり、ぼくはぼく個人として、こういう曖昧なことを言い続けたい。これまで運動してきたひとたちがそう言い続けてきたように。
*1:ひとことで「ゲイっぽい」といっても、実際のところゲイにはいろいろいて、一括りにできないんだけど、ここではゲイコミュニティのなかで目立っている一種のパターンを指して「ゲイっぽい」と言っています。