Eテレでやっている番組「100分de名著」。先月はブルデューの「ディスタンクシオン」を、今月はマルクスの「資本論」を取り上げていて、どちらも興味があったのでテキストを購入し、毎週、番組を見ていた。番組でのやりとりも面白いし、番組では「某チェーン店」と言っているところをテキストでは「ワタミグループ」とはっきり書いていたりして面白い。
ぼくたちZ世代
テキストの「資本論」を読むと、資本主義が資本の増大だけを目指し、人間の生を蝕み、自然を搾取していることがハッキリ見えてくる。過労死も、コロナ禍で問題になったエッセンシャル・ワーカーやブルシットジョブについても、地球の気候危機もぜんぶ根底で繋がっているのだ、と気付かされた。
また、読んでいくうちに、グレタ・トゥーンベリさんや、「クィア・アイ」シーズン5に出演していたいわゆる「Z世代」と呼ばれるひとたちの活動が思い出された。そういえばZ世代って何歳くらいまで入るんだろうかと調べてみたら、ぼくもギリギリ入っていた。たったそれだけのことなのだが、Z世代のひとたちの活動が、一気に身近に感じられるようになった。
肉食=男らしさという刷り込み
その後、たまたまTwitterでおすすめされているのを見て、Netflixで「ゲームチャンジャー:スポーツ栄養学の真実」というドキュメンタリを視聴して、肉食が、人体の健康や地球環境にどのような悪影響を及ぼしているのか、そしてその代替案としての菜食がどれだけ合理的かについて知った。
また、”男性=肉食”とか”男らしさ=肉食”というイメージを植え付けたのは企業のコマーシャルによるものであって、実際には、植物性のタンパク質でも筋肉は十分つくられるし、菜食主義者のアスリートも少なくない。むしろ菜食のほうが持続力や回復力があがるとも言われていた。たしかに「男なら肉だぜ!」みたいなイメージはあるし、菜食はエネルギッシュじゃないというような偏見も持っている。そこはしっかり相対化していきたいなと思った。
この番組、Netflixに加入しているひとはぜひ一度視聴して、確認してほしい。
Netflixで「ゲームチェンジャー」をパートナーと見て、菜食を取り入れていこうかと話している。環境負荷の軽減や倫理的な観点、それから健康やジェンダーの観点も含めて考えて・実践していってみたい。https://t.co/gHsMQFRYP3
— おさむ@にげにげ日記 (@nigenigeOsamu) 2021年1月13日
ヴィーガンを実践してみた感想
そのようなことがあって、パートナーと「ちょっと試してみようか」と話し合い、それから約3週間ほどヴィーガンレシピを実践してみている。肉や魚を使わないようにするだけで、料理のハードルはわりと上がる。あと豆腐と大豆の消費量もめちゃくちゃ上がる。でも、いろいろと工夫してみるのは楽しい。制限があるからこそ、そのなかで試行錯誤をする甲斐がある。また、コロナ禍で家にいる時間が長くなっているので、このような試行錯誤は生活の楽しみにもなっている。
とはいえ、こないだはついマックでハンバーガーを食べてしまった*1し、食べ物については多少意識できていても、ファッションやフェアトレードを始めとしたエシカル消費ができているとは言えない。マイボトルも持っていないし。徹底できていないと言われれば、その通りだと言うしかない。これは今後の課題。少しずつ学び、実践していきたいと思っている。
これはゼロサム問題ではない
でも、「ゲームチェンジャー」のなかでも言っていたけれど、これはゼロサム問題ではない。できる範囲でやっていけばいいし、その範囲を少しずつ増やしていけばいいのだと思っている。資本主義はあまりにも強大だし、文化としての肉食は広く浸透しているから、一朝一夕に相対化したり変えたりするのはなかなか難しいのだから。うーん、ちょっと呑気すぎるかもしれない。小手先の変化で「満足」してしまうのではなくて、下記の記事みたいに、もっと大きな構造転換を求めるべきなのかも。