中学生のとき、毎週月曜日の深夜にやっていた「嵐の宿題くん」を楽しみに生きていたのを覚えている。嵐のメンバーの仲の良さや、ちょっと気の抜けた雰囲気や番組の構成が楽しかった。たまに製作費がなくなって、嵐のメンバーだけですごろくをやったり、布団を用意して照明を落として「誰が一番早く眠れるか」を競ったりする、いわゆる「お金がないスペシャル」も面白かった(むしろこれが一番好きだったかもしれない)。
アルバムでいうと、「Time」とか「Dream "A" live」あたりの時代。20枚目のシングル「Happiness」は何度聴いただろうか。ミュージックステーションで紫色の衣装に身を包んで踊る姿がいまでも目に浮かぶ。コンサートにこそ行かなかったものの、嵐が大好きだった。特に、大野くんが好きだった。ちょっと無愛想で、気怠そうだけれど、歌もダンスも絵もピカイチで上手い大野くん。自分がゲイだと気づいて、初めて好きになった芸能人だった。
それから高校へ進学し、嵐の動向をすっかり追わなくなってしまった。授業や部活が忙しかったし、iPodには洋楽がどんどん増えていった。そうこうしているうちに嵐はどんどんブレイクしていって、いまや「国民的アイドル」の称号にふさわしい活躍ぶりだ。ぼくが嵐の動向を追わなくても、街を歩けばヒットソングが耳に入るし、ちょっとテレビをつければ彼らの活躍を目にすることができた。
そんな嵐が、2020年いっぱいで活動休止することを知ったときは、驚いた。めちゃめちゃびっくりした。それからしばらくは嵐の動向から目を離せなくなって、サブスクが解禁されればここ最近の曲もひととおり聴いたし、Youtubeチャンネルでコンサート映像が配信されれば通して何回か見た(ただの懐古厨にはなりたくなかったし、なにより純粋に楽しんだ)。ぼくが積極的に嵐の動向をチェックしなくなってから約10年が経っていたが、「嵐の宿題くん」をやっていたときの仲の良さや気の抜けた感じはずっと維持されてきて、多くのひとにそれは支持されているんだと知った。
SNSやサブスク解禁と同時に配信された「Turning Up」のMVを試聴したときの感動をどう表したらいいだろう。仲の良さや気の抜けた感じを内包したまま、それでいて国民的アイドルとしてカッコつけている様がホントにキラキラしていた。その上、うまく言い表せないけれど、曲も映像もものすごく今っぽくてカッコ良かった。「そうそう!嵐ってこれだよね!」っていうのと、「えー!いまの嵐ってこんな感じなの?!」っていうのが両方あった。
Netflix originalのドキュメンタリー「ARASHI's diary voyage」もちょこちょこ見ている。輝かしい活躍の裏で、たくさんの葛藤や折衝や努力が積み重ねられていることの一端を垣間見ることができる。いまさらだけど、コンサートにも一度くらいは行ってみたかったなあ。
以前よりかは嵐の動向をチェックするようになって、コンサートにも行ったことがない、ファンクラブにも入っていない、ファンの隅にも置けないファンの1人として、まあいろいろ思うところも多少はあるが、とりあえず活動休止までの残りあと約2ヶ月を頑張ってほしい。そして、それが終わったら大野くんにはゆっくり休んでほしい。
Youtubeで芸人のダイノジが嵐のおすすめ曲を紹介していて、これがぼくの好みとドンピシャだった。最近ぼくがよく聴いているのは、「EYES WITH DELIGHT」「ALL or NOTHING Ver.1.02」「ココロチラリ」「Oh Yeah!」「Turning Up」あたり。嵐はいい曲がホントに多い。