にげにげ日記

にげにげ日記

(元)不登校ゲイの思索

苦痛な飲み会からうまく逃げたい——坂口恭平「躁鬱大学」を読む自主ゼミを始めました。

おさむです。

 

「まとまらない人」こと坂口恭平のnoteでの連載「躁鬱大学」をテキストにして、友人とオンライン自主ゼミを始めました(「躁鬱大学」のゼミだから「躁鬱ゼミ」かしら)

 

note.com

 

ぼくは双極性障害と診断されてはいないのですが、気分の波が大きくて、このテキストを読んでいても共感できる部分がたくさんあります。個人的な特性だと思っていたことが、「躁鬱人」の特徴なのだと気づかされ、びっくりしながら読んでいます。

 

「躁鬱大学」の面白いところは、こういう特性や特徴が分かるにつれて、風通しが良くなっていくように感じられるところ。例えば、どれとはいいませんが発達障害の本なんかを読んでいると、「こんな自分で、これからどうやって生きていけばいいんだろう」「こんな自分を誰が受け入れてくれるんだろう」とか心配になって胸が張り裂けそうになることがあります。でも、「躁鬱大学」は、それがない。

 

そんな「躁鬱大学」をテキストに、友人と「あー、これあるある!」「これって◯◯だよねー」と話していたら、なおさら心配になんてなるはずがなく、「こんな風にやっていけばいいんだね」「こういう工夫のしかたもあるかも」などと建設的なおしゃべりになっていってとても楽しいです。

 

開き直れるというか、むしろ抑圧からの解放というか、長年の腰痛から解放されてワー気持ちいいー!みたいな、なんかそんな感じ。

 

例えば、こんなことについて話しました。

 

飲み会からの逃げ方

「躁鬱大学」その3では、こんなことが書かれています。

 

躁鬱人ではない人には申し訳ないんですけど、躁鬱人は常に自分が話の中心になっていないと落ち着きません。あちらで数人がニコニコ話してて、こっちでは一対一で静かに話す、みたいな状態だとなんとなく物足りないって思ってしまうんです。

 

note.com

 

例えば飲み会で、自分が話の中心になっていなくて、周りの空気をめちゃくちゃ読んじゃって、何も言えなくなって黙ってしまう。「自分は話に加わっていない、孤独だ、結局自分は人間関係がうまくいかないんだ」とグルグル考えてしまって、鬱になる。

 

自分が出る幕ではないところでは静かにしていよう、ではなく、出る幕がないところにはいない方がいいんです。むしろ、そのままいなくてもいい場所に居続けると、窮屈さが満杯になって、そうなると、黙ってしまう状態から怒りに移行してしまいます。そうなると、二度とその現場には戻りにくくなってしまいます。

 

だから、「話の中心になれないところでは、自分の出る幕はないと諦め、適当な話をしてその場をやりすぎすこともできないので、さっとその場を立ち去る」ことが大事だ、と。

 

これ、めちゃくちゃわかります。躁鬱人じゃないひとには共感できないのかな。ぼくの場合、飲み会が長引いたり話の中心になれていなかったりすると、頭がぼーっとしてきて全身がフツフツと気泡になっていくような感じがしてきて、いてもたってもいられなくなります。

 

これまで「みんな同じように感じているんだから、じっと耐えてその場に居続けなければ」などと思っていたけれど、こういう「窮屈」って躁鬱人には耐えられないんだってことがわかってきました。

 

自主ゼミでは、「じゃあどうやって飲み会から抜け出すか」「まずはトイレに行くフリをしてしばらくその場から離れてみるのはどうか」「「べてるの家」でそういう研究してるひとがいた」みたいなことをおしゃべりしました。

 

おわりに

こんな感じで、自分だけだと思っていた体験が共有され、納得しながら自分のカラダの操縦法が分かってくるみたいな感じで、やっていてとても楽しいです。

 

「この道一筋」を諦めて、アレコレ手を出して、風通しを良くしていく。充実させつつも、疲れすぎると鬱になるので適度に休んでいく。資質に合わない努力はしない(ってか、できない)。そして、話の中心になれないところからはサッサと抜け出す。

 

こんな感じでいろいろ学んでいます。また自主ゼミやっていきたいです。

 

まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平

 

まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平

まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平

  • 作者:坂口 恭平
  • 発売日: 2019/11/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

坂口恭平 躁鬱日記 (シリーズ ケアをひらく)

 

坂口恭平 躁鬱日記 (シリーズ ケアをひらく)

坂口恭平 躁鬱日記 (シリーズ ケアをひらく)

  • 作者:坂口 恭平
  • 発売日: 2013/12/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)