おさむです。
このところ、アマゾンプライムビデオでいくつか映画を見たので、つらつらと感想を書き連ねたいと思います。
トランスペアレント ミュージカルフィナーレ
2~3年前くらいに話題になったドラマ『トランスペアレント』が、ついに終幕。70代の父親がトランスジェンダー女性であることを家族に告白し、そこから物語が始まっていきます。淡々とした描写と展開が心地よくて、ついダラダラと何時間も見てしまいます。
3人きょうだいの関係性に「いいなあ」と思ったり、主人公やそのまわりのひとびとの葛藤に胸をグッと刺されたり、地域のLGBTコミュニティセンターみたいなのが出てきて「おお、これが…!」と感嘆したり、アラニス・モリセットの「Hand in my pocket」をカバーするシーンで涙したりと、いろいろ思い出深い作品なのですが、とうとう最後です。
最後になったきっかけは、主人公を演じている俳優のセクハラ疑惑が訴えられたからでした。#MeToo の動きですね。
そのため、『ミュージカル・フィナーレ』に主人公は出てきません。家族や周囲のひとびとが出てくるのみです。当然、「なんで、ミュージカルなの?」というツッコミは不可避なのですが、主人公不在のまま物語を終わらせるためには、その勢いが必要だったのかなあと思います。
ドラマ版はまだ見れるので、ぜひ見ていただきたいです。いい作品です。
モバイルハウスのつくりかた
まとまらない人こと坂口恭平が、車輪のついた家「モバイルハウス」を建てる映像が続きます。隅田川のエジソンこと鈴木さんとワークショップをしたり、多摩川のロビンソン・クルーソーに教えを請いながら3万円以内で「モバイルハウス」を建築したり。
坂口恭平の哲学というか理論的なところは、映像内に何度も挟まこまれています。ぼくは数年前から坂口恭平に興味を持っていて、彼の本を何冊か読んでいたので、その点はすんなり入ってきました。
住まいとは何か。建築とは何か。働くとは何か。ひとの仕事とはなにか。
坂口恭平の問いは、いまもまだぼくのなかに存在し続けてることを実感します。
その点について、映像として見てみるとまた別の説得力というか、納得しちゃう感じがありました。「こりゃあすごい」って感じ。
アイ・フィール・プリティ
プラスサイズの主人公が、頭を強打したことによって自分が美女に見えるようになるお話。
実際の姿は変わらないのですが、「自分は美しいんだ」と思えるようになって、性格やふるまいも一変。容姿コンプレックスにより、自分には無理だと思っていたことが、(実際には姿は変わっていないのに)できるようになっていく。
自尊心が人生に与える影響の大きさが伺えます。
山崎ナオコーラが、『ブスの自信の持ち方』という本(名著です)で、「ブスはコミュニティから排除されるのではなく、『コミュニティの中心に美人を、周縁のほうにブスを』という風に序列を組まされるのだ」というようなことを書いていたなあと思い出しました。
見た目選手権でそのような序列が組まれるのは仕方ないとしても、学校や職場などでも「見た目」によって序列化され、「お前はブスなんだから、身の程をわきまえろ」みたいなプレッシャーに晒されるのって、本当におかしいですよね。
見た目と自尊心でいえば、こちらの本も近々読んでみたいと思っています。
以上。また何か面白い作品があれば感想書きたいです。