エクセルシオールカフェ永田町店でアイスティーを頼んで、席まで運んでから気づいた。これ、アイスコーヒーじゃね? まあいいや、ちょうど少し眠かったしと思って、アイスコーヒーをちびちび飲みながらスマホでTwitterを確認。自民党本部前には少しずつひとが集まってきているようだった。
ここ数年、たびたび話題に挙がってきた「LGBT理解増進法」が、とうとう立法化されるかということで議論されている。ただ、議論することそれ自体はいいと思うのだが、間違った情報や誤った認識が一部の政治家の間で共有されているようで、「これじゃあまともな法律はできないだろうな」と思わざるを得ないような状況。
「種の保存に背く」「道徳的にLGBTは認められない」などの暴論もひどいが、山谷えり子議員によるトランスジェンダー差別的な発言も看過できるものではない。この報道があった日の夜、ぼくのTwitterのタイムラインでは怒りや疑問や不快感を表すひとがかなりたくさんいた。杉田水脈議員の一件を思い出さずにはいられなかった。
お前らにとっちゃイデオロギーや政争の話に過ぎないんだろうけれど、こっちにとっちゃ生き死にや人権や尊厳の話なんだよ、バーーーカ!くたばれ!!!!
— おさむ@にげにげ日記 (@nigenigeOsamu) 2021年5月20日
「いろんな副作用も」LGBT理解増進法案 自民部会で紛糾 了承見送り|TBS NEWS https://t.co/vbnupWGJgJ
報道があった翌日、すぐに自民党本部前での抗議の呼びかけがあり、ぼくはそれに参加するために永田町へ向かった。早めに着いたので近くにあったエクセルシオールカフェで待機した。デモや抗議に参加するのは、2015年頃の安保法制反対デモに何度か参加して以来かもしれない。5〜6年ぶりだ。
アイスティーだったはずのアイスコーヒーを飲み干して、自民党本部前へ向かった。少し時間が早かったので、まだ10人ちょっとしか集まっていない。プラカードを持って待機していると、ひとがだんだん集まってきた。「差別をやめろ」「自民党は差別をやめろ」などのコールに合わせて声をあげたりあげなかったりしていると、身体の奥底に溜まっていた怒りや悔しい気持ちがじわじわと広がっていった。
どうしてこんな薄汚れた一部の政治家たちのせいで、ぼくらの人権や尊厳や安全は犯されなければならないのだろう。どうしてこんな差別発言を繰り返す政治家や政党がのさばっていられるのだろう。悲しくて悔しくて泣きそうになる。
誠実さのかけらもなく笑っている奴がいるよ
隠しているその手を見せてみろよ
——THE BLUE HEARTS「青空」
デモや抗議”だけ”をすれば社会が変わるとは思っていない。同様に、署名”だけ”をすれば変わるわけでもないし、選挙で投票”だけ”をしていれば変わるわけでもない。いずれも民主主義を機能させるための手段のひとつに過ぎなくて、これらを含めて、あらゆる手段を講じていかなくてはならないんだと思う。
そのためにも、中間集団が必要だと思った。個人と国家の間にある無数の中間集団。読書会や勉強会など形式はいろいろできそうだが、何かそういった集まりを作っていけたらいいなと思う。むき出しの個人は弱くて、デマやフェイクニュースなどにすぐにやられてしまうが、中間集団が機能することによって民主主義もまた機能するんじゃないかと思っている。